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SNOOPYの飛行機 アップから3年半がすぎて

 上は3年半ほど前にアップした「SNOOPYの飛行機」に載せているソッピース・キャメルのプラ模型の写真ですが、キットは「レベルの1/28にそっくり」です、と解説していたのを、近ごろ「ホビークラフトカナダの1/32にそっくり」に訂正しました。どうして3年半も経ってからそんな訂正をしたのか、というようなことはどうでも良いことのようで当の本人は、つまりぼくのことですが、ちゃんと言い訳しておかないと気が済まないみたいです。


キャメルの修理
 このキャメルの模型は記事のアップ時(2016年12月22日)には、実は、壊れていました。30センチほどもあるから棚には収まらないので天井にテグスで吊ってあったのが、ある時突如落下してバラバラになってしまったんです。もう10年以上も前のことで、それを捨てたりせずに空き箱にいれてクローゼットに仕舞っていました、いつか修理するつもりで。それが近ごろCOVID-19の影響で仕事が自宅待機になって急に時間ができたので、この機にと思い修理することにしました。ぼくは買ったキットは必ず完成させる、壊れたら修理する、修理できなくても捨てない、を基本信条にしています。下手の横好きだからどれほど一所懸命に作っても大した出来栄えにはならないのですが、それがぼくの飛行機プラ模型と付き合うときの気分なんです。

 上下二枚の主翼と水平・垂直尾翼は胴体から外れ車輪が飛んでプロペラ軸も折れたというひどい壊れようだったから、それは修理というより再生でしたが、水ペーパーを濡らし筆に絵具を含ませるのは20年ぶりだったのでなかなかうまくいきません。視力も落ちて集中力も続かなくなっています。なにより感覚を忘れていました。でも、しばらくやっていると、ああそうだった、ここはこうするんだった、と、ちょっと調子が戻ってきて、作る工夫を考えるのが楽しくてしようがなかった昔を思い出していました。

(組み立てが済んで張り線をする前と張り線をした後のキャメル。張り線のあるなしでだいぶ雰囲気が変わりますが、こうして写真で見ると、そう下手くそでもありません。)

海賊版キット
 修理しているとき、どういうわけか1/28にしてはなんだか少し小さいような気がしてきて、試しに主翼の長さを測ってみたら26.65センチで、実機の全幅は8.53メートルだったからピッタリ1/32でした。えええーっ、となって、それでクリアファイルにいれてとってあった組み立て説明書を出してきて見てみたら、やっぱり1/32でした。
 そこで、困ったぞ、HPには間違いが書いてある、それも3年以上も間違い続けている・・・、だれも読まなくても・・・じゃなくて、だれも関心がなくても直さないと・・・、となったわけです。でも今更ね、という気持ちもやはりちょっと・・・。

 キットを買ったときに縮尺を見なかったんだろうか。そう、見ていなかったんです。ソウル市内ハンガン(漢江)の南側、クロク(九老区)ケボンドン(開峰洞)というところの地下鉄の駅を出て裏通りをちょっとはいったところにあった小さな文房具屋でこのキットを見つけたとき、縮尺表示を見ないで箱の大きさだけから、これはレベルの1/28の海賊版じゃないか、と思い、箱を開けて中身を見て、上下翼間支柱に張り線の糸を通すための穴がスケール感を大幅に無視した大きさで設けてあったことから、やっぱりそうだ、とレベルのキットの海賊版、すなわちデッドコピーを確信してしまったんです。でも、それは間違いでした。
 こうしてぼくが韓国で買ったキャメルの大型キットはレベルの1/28の海賊版ではなかったことがわかったのですが、ではどうしてホビークラフトカナダ1/32の海賊版だとわかったのかというと、修理中のキャメルの組み立て説明書の縮尺表記を確認したとき、同じファイルにアカデミー1/32のキャメルの組み立て説明書があるのを見つけて、そうだこれがあった、と俄かに思い出し、まだ組み立てていなかったそのキットと修理中のキャメルを比べてみたら、分割の仕方、部品の形など何から何までそっくりで、アカデミーの1/32のキャメルはホビークラフトカナダのキット(海賊版ではなくて同じ金型)だと聞いたことがあったからでした。

レベル1/28ソッピース・キャメル
 ぼくはレベルの1/28のキャメルを、実は、作っていません。どころか、買ってもいません。レベルの1/28第一次世界大戦戦闘機シリーズはスパッド13、ソッピース・キャメル、フォッカーDr.Tの3種類だけで、ぼくが買っていたのはスパッド13だけでした。それでもキャメルのキットをよく知っていました。高校生のころいつも行っていた模型屋で棚に積んであるこれらみっつのキット(グンゼ産業から出ていた国内生産品)を見つけて、800円か高いな、どれかひとつしか買えない、どれにしよう・・・、と、そこでみっつとも箱を開けて中のキットを、模型屋のおやじが嫌な顔をしているのも気にせず、じっくり時間を掛けて見比べ、結局、機体が大きくて組み立てると一番立派に見えそうだと思ったスパッドに決めたのでした。だからレベル1/28のキャメルがどんなキットなのかをよく知っているつもりでいたのです。でも、そうじゃなかった、記憶は不確かでした。あるいは最初の印象でそう思い込んでしまったらそれに遠い昔の記憶を合わせてしまうようです。


 修理を終えたキャメルは近くで見ると修理の跡が飛鳥大仏並みにかなり不細工です。元の天井に戻っているので下からだと見えませんが本人は知っています。しばらくは天井を見上げるたびに呟きます。まあ、こんなもんか・・・な。(メキラ・シンエモン 2020年6月30日)

キャメルの向こうに見える迷彩塗装の大きな複葉機がレベル1/28のスパッド13です。

模型の製作と写真:メキラ・シンエモン



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