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アカスジカメムシ見ゆ

 オオキンカメムシを書いた翌々日です。その日は明け方に雨が降りました。近ごろ天気が良くて晴耕ばかりで歩きすぎなのかちょっと疲れた明日はやっと雨みたいだし休んで久々に雨読にしようと前の日に思っていたのですが、雨が降ったあとの雫を残す紫陽花はきれいだからやっぱり行こうかまだ水滴が残るうちにと思っていつもより少し早めに家を出ました。いつものコースを歩いてオオキンカメムシが止まったアカメガシワを過ぎて畑と畑の間を通る道を行くと道端のニンジン(あるいはノラニンジン)の花に小さな虫が何匹もついていました。ああニホンカブラハバチか、と思ったというのはちょっと前に同じ花で見ていました。それほど興味のないハチでしたがせっかくだから写真を撮っておこうかと近づくとハチではなくてちょっと珍しいカメムシでした。アカスジカメムシが3匹いてうち2匹は交尾しています。それが、いきなり片方がパートナーから離れて別のもう1匹のところへ行くじゃないですか。でも嫌われていました。このカメムシは一夫多妻制それとも逆なのかどっちがオスでどっちがメスか見分けがつきませんがあるいはそういうことには拘らないのか・・・。

ニホンカブラハバチ 2024年6月7日
2024年6月16日


 アカスジカメムシはセリ科の花に来るカメムシで特別珍しいというわけではありませんがあまり見かけないのも事実です。カメムシらしくない色彩が特徴で1センチあまりのちいさくずんぐりした体の背は幅の狭い赤と幅の広い黒のストライプ腹は赤地に黒の水玉模様というとてもオシャレなカメムシです。自然は人間より遥か先にこんなすばらしいデザインを考えついていました。

 でもどうしてこんなに目立つ派手ないでたちなのか、観る方としては歓迎ですが擬態とはまるで反対だからアマゾンかどこかにいるという毒のあるカエルが派手な色をしているのと同じで、ぼくは臭いんだぞ近づくな、という警告のつもりなんでしょう。それならほかのカメムシには地味なものがなぜ多い。ごまかすか目立つか、その選択はどうやったんでしょう。

2024年6月17日

 あんまりじろじろ見て写真を何枚も撮るもんだからカメムシもこっちが気になったんでしょうね、人の恋路の邪魔をするなと怒ったようで、まさか恥ずかしいというわけでもないでしょう、花の下にもぐってジョー90のラット・トラップみたいな復散形花序の中に隠れてしまいました。派手な赤黒の縞模様は丸見えですが防御にはなります。 2024年6月18日とらもとしんいち(メキラ・シンエモン)

2024年6月16日

 ジョー90とは懐かしいけどまた古いものを持ち出したね。でもラット・トラップなんて今どきだれが知っているだろうか。ネズミ捕り器のことじゃないよ。サンダーバードファンの面目躍如だね。


写真:とらもとしんいち





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