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帰って来たルリカミキリ

 今年は散るのが遅かったソメイヨシノもすっかり葉桜になり庭のリンゴの木も花が終わって小さな青い実が膨らみはじめています。まだ小さな木でなんの世話もしないし実は生るままにしてあるリンゴの木ですが、ことしは花が多かったから実もたくさんついているのは見ていて楽しいものです。ざっと数えても20個以上あります。喜んでいたら5月に入って間もないある日、みっつほど実がついている細い枝が一本折れて垂れ下がっていました。大きくなった実の重みに耐えられなかったようで、よくみると去年ルリカミキリがつけた大きな傷のところから折れていました。もう葉っぱも萎れていて皮1枚で繋がっていたからちょっと引っ張るとあっけないほど簡単に取れました。

 その数日後でした。上の方の一枚の葉に日の光を透かして浮かび上がる二本の触角が長く伸びた小さな虫の影が見えます。リンゴの木にルリカミキリが帰ってきました。去年はじめて見つけたのは6月でした。今年はちょっと早いお出ましです。ほかにもいないかと探すと2匹いました。合わせて3匹です。次の日もいてそのまた次の日もいてとしばらく見かけたから今年も棲みつくのかと思っていたら姿が見えなくなり四日ほどして一匹ですが戻っていました。

2024年5月19日

 それからしばらくして細い枝が一本また折れてしまいました。やはりルリカミキリのつけた傷のところからです。カミキリムシはリンゴの害虫でした。でも偶然我家の庭にリンゴの木がやって来たのも縁ならそのリンゴにルリカミキリが棲みつくのもなにかの縁とそのままそっとしておきます。

2024年5月19日

 近ごろルリカミキリは姿を見せていません。かなりになります。どこかへ行ってしまったようです。うちのリンゴにはもう飽きたんでしょうか。それともボロボロになったから新しいリンゴの木が欲しくなったというのなら、でもキミが自分でやったんだよ。

2024年5月22日

 今年は去年よりもうちょっと大きくなりそうなリンゴの実がいくつもあります。近ごろ折れた枝はありません。小さくても食べられるようになるといいんだけど・・・。それについてはクサギカメムシが一匹棲みついているのがちょっと気掛かりです。ヤツはきっとリンゴに口吻(こうふん)を突き刺して汁を吸っているに違いない。 2024年5月30日とらもとしんいち(メキラ・シンエモン)



写真:とらもとしんいち





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